黙っちゃダメ

故もなく義憤にかられることがある。


最近、体重を20歳当時あたりに戻した。
わりと強い意志もなく落とせたのは年のせいだろうが、
痩せればこの体の痛みが少しはラクなんじゃないのかなー
と思ったせいもある。
まあ、全然そんなことはなくて、痛みは進行中なんだが
手持ちの服があわなくなるていどに痩せることができた。
もう不惑も過ぎていることだし、めんどくさいので
このままの体型でいくことにする。
出産のおかげで、巨乳とまでいかなくともそこそこの胸があった
時期も経験できたしなー…と考えてまたよけいな思考。

巨乳は乳だが小胸さんは胸だ。
チチと言われると単品ぽいが胸と言われるとデコルテだ。
日本の小胸さんたちはボリュームこそないが美しい。
大体、洋服は小胸さんのほうがきれいにまとめられるのだ。

男性は胸派と足派にわかれるというが
女性として一番力を入れる部分はふつう顔だ。
肌とか化粧とか。
しかし現実には男性は顔についてコメントするのを
控える傾向にある。どストライクすぎるからか。
だけど女の身としては、胸だの足だのに執着されるのは
なんかオルタナティブ疑惑があるし
「ほんとうのわたし」という幻想にとても遠いパーツ感が否めない。
だから、目をほめるオトコはモテるんであるよ。


ここまではマクラ。
壮大なマクラ。

で、義憤のはなしに戻ると、

体重を曖昧にする女はかわいいが
はっきり嘘とわかるとたいへん気に障る
という経験をした。

たいそう利発で見た目もがんばってる子がいる。
年はふたつほど下で独身だ。
清潔感だけでなく、異性へのアピールも控え目ながら気を配るタイプで
すずやかな声で話す。
髪を整えるために朝五時おきだというのを知り、
さらに美容院代を聞くにおよびおおおおおとひれ伏す私。

だがとっても姿勢がよくない。
俗に言う猫背。
私より少し高い背たけはいつも丸まっており、
ふくよかというよりもうすこし固めの肉づきは
本来よりも幅ひろく見えてしまっていて惜しい。

その彼女が男性を前にして言ったのだ
「52キロです」
とな。

自慢じゃないが、私はそのとき54キロあったので
なぬ!!
と思った。
彼女、私から見ると60キロ以下には見えない…
タッパを考えたら65キロでもおかしくない。
服のサイズも2サイズ上だったはずだ。

だーれも損してないし、
彼女だって悪くないのだが
ガタイのでかい女が・男性にこびるために・自分より少ない体重を
申告したことに対して故もなく義憤にもえた話。
まあ、反駁したり追及することはなかったんだが
数分がとこ押し黙ってしまったわたしの
人間ができてない話、でもある。