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パニック障害の発作を起こし、鬱を併発したらしい義母。
もともと考えすぎの性格で、起こす行動が傍若無人な人では
あるのだが、さらに険しい道となった。
老いての道に、いままでの蓄積からくる精神的な病。
あああ、つらかろうなと思う。

で、しらないうちにずかずかとうちにやって来てた。
うちを終の棲家と勝手にきめたらしい。
両目を失って、噛む犬となったトイプーも伴っている。
めちゃめちゃ吠える犬で、マンションで苦情が出て以来
うちに出入り禁止になってた犬だ。
ますます気難しくなっており、義母は何度も手をかまれて
縫っている。

義母は言う、
「あんたは嫌いだけどどうしても息子と住みたい」。
思えば新築でうちを買ったときから住む気満々で
住む部屋も真ん中の一番いいとこを所望していた。
今彼女がじんどっているそこは、夫婦の寝室のとなり。

しかし私は決めたんだよ。
この二人はどっちもわたしの子供にする。
彼女の病も犬の困ったチャンも、全部治してやるよ。
最後はいい人生だったといえる老後にしてやるよ。

この世は楽しいよ。
鬱なんざなっとる暇はない。
人を恨むのも、その相手が死んだらもういいじゃんか。
ましてやもう10年も前のハナシだ。
犬だって、人間が悪いから噛むのさ。
人間に世話されることに決めた彼らに守ってもらおうと
依存するから混乱するんだよ。

私の人生にはしょげこむ時間はいらないんだ。
まず防音の犬小屋を買った、河合楽器の高いやつ。
ものすごい機能性。
やっぱ金で解決できることは惜しまないほうがいい。
限界あるけど。

あとは、毎日いつもよりすこーしずつ手の込んだ料理を出して
上げ膳下げ膳。
そして、はてしない思い出話と愚痴を聞く。
延々と、粛々と。

明日でうちに転がり込んで3週間になる。
だいぶ良くなってきたので、明日は美容院につれてって
そのあと戸上家でうまいものを食べさせる予定。

くりかえす、人生は鬱になっとる暇はない。