二か月も

二か月もたつのに
じりじり悪くなっていく原発
実際の死病と似ている。

露悪的なことを言うと、寄付額が少なくなってきた。
初速はすさまじいものだったが、いまや経済をまわそうという
論調も影をひそめた。
飽きてきた、とか、風化してきた、という印象を
素直につぶやいている人もいるが、単純に警戒が強まっただけだと思う。
もちろん、クレクレなごくごく少数の被災者を垣間見て呆れた人も
果てしなき欠乏に疲れた人もいるだろう。

関東住まいの我々は、絶賛ゆでガエル大会をしているように
見えようが、どうすればいいのか見当がつかないために
そうせざるを得ない状況なだけであり、
決してゆだりたくはないのであるが
なにしろ決断に足る情報があいまいで少なすぎ、
生活を捨てる際に生じる不都合が大きすぎる。

関東から人々が散りはじめたら、それは不可逆性の変化である。
日本という国の経済活動があまりにも明確に破壊され、
地方には混沌をもたらし、おそらく飢え乾きさえ引き起こすだろう。
日本という国土は山と川とで埋め尽くされ、1/4に息も絶え絶えになった
人間が必死で暮らしているわけだが、それが1/8になるわけだ。
人はガンなどという悠長な病気だけでなく、
単なる不衛生、栄養不良でも簡単に死ぬ。
いま病をもっている私などまっさきに淘汰されるだろう。

しかしなあ、だからといって命を簡単にあきらめられないよ。
40歳以上なら感受性も乏しくなってるし
放射線による発がん率も下がる(というか他のリスクが上がる)し
30年後はいきてないでしょってそりゃあんた、ひどいよ。
子供がまだヒトケタの年齢で、親子で長々と病気して、
一番母親が手助けしてやりたいときに子や孫の世話はおろか
自立すらあやしい不健康な体になったあげく
高額医療費に泣きながら日々弱っていき、
死んだときには周りだけでなく本人もほっとしちゃうような
自分になっちゃう。
そんな未来…いやだ!!!!
私になにができるだろうか。